内観法とは自らを客観的に見るための技法です。ありのままの自分や現実社会を肯定的に受け止められる柔軟で前向きなこころと困難に負けないしなやかで強いこころが育ちます。

よくある質問

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質問1 過去のことばかり振り返っていても進歩がないと思います。将来のことを考えるほうが大切ではないでしょうか。私には思い出したくない過去があります。
たしかに、将来のことが大切です。では何故、内観法は過去を観るのでしょう。それはほとんどの人にとって過去は過去になっていないからです。私たち人間は、過去を引きずって生きる習性があります。ひどい人は、トラウマという心の傷を背負って、何をやってもその過去の体験を忘れられず、その体験に苦しめられています。過去になんのこだわりももっていないようにみえる人でも、初めて会った人が初恋の人に似ていたりすると、相手のことを何も知らなくても好感をもったりします。逆にその人がかつて嫌いだった人に似ていたりすると、何もその人のことを知らないのに悪い印象を抱いたりします。

このように私達の今は、過去の記憶の中にある印象に大きく左右されていると云えます。過去の印象が暗ければ暗いほど、今の現象も暗く見えます。過去に出会った人に嫌いな人が多ければ多いほど、今も周りに嫌いな人が多くなる確率が高くなります。逆に、過去に好印象を持った人に多く出会った人は今も人間関係に恵まれている可能性が高いのです。過去の印象が明るい人は、今も物事を明るく見て積極的な思考になるでしょう。

過去を忘れろ、と言う人もいますが、私達人間の無意識はそう簡単ではありません。忘れたつもりでも実際は忘れたわけではなく、記憶が潜在化して思い出せないだけで無意識はちゃんと覚えています。例えば、小さい時に犬に噛まれた人が、噛まれたことはすっかり忘れているのに何故だか犬が嫌いだったりします。表面の記憶で忘れても無意識は覚えているのです。自然に忘れるのならまだしも、無理をして意識を操作するのは出来るだけ避けたいものです。何事も無理は、後遺症を生む可能性があります。忘れることが本当に幸せなら、記憶喪失になった人は、幸せな人と云えます。しかし、実際は不安定になります。

私達の今は、善くも悪くも過去とは無関係ではなく、無意識の部分で過去に支配されていると言っても過言ではないでしょう。内観法が過去を観るのは、過去を過去のものとするためであり、過去の悪い支配から解放されて「今」を生きるようになるためなのです。

最近の大脳生理学では、私たちが現実世界から得る印象は、2割ぐらいだと言われているそうです。残りの8割は、私たちの内部からの情報で印象を決めているというのです。過去に失敗体験が多いとマイナス思考になり、成功体験が多いとプラス思考になるのです。

だから、過去の辛い記憶を楽しい記憶に組み替える必要があるのです。過去は変えられるのです。何故なら、過去は記憶・印象の集積ですから解釈の仕方が変われば、過去の事実に対する認識を変えることができるのです。
質問2 内観はいいとは思いますが、厳しそうで一週間続けられる自信がありません。誰でも一週間できるものでしょうか。短期の内観研修はないのでしょうか。
当所は個室ですので、ご本人のペースに合わせて内観を行っていますから、ご本人のやる気があれば、どなたでもできます。実際、当庵には小学生5年生から84歳の方までお見えになり、最後まで内観をされました。もし、途中でやめたくなったら、いつでも中断できますので、ご安心ください。

短期の内観は、初めての方にはあまりお勧めしません。個人差はありますが、内観と言っても、最初は集中できず思い出すのも大変で、最初の三日ぐらいは内観にならないと言われています。後半から本当の内観になり、気づきや感動体験が増え、内観の醍醐味、効果を味わえるようになるのです。

短期内観だとこれからという時に止めてしまい、最初の上手くできない内観で終わってしまう可能性が高くなり非効率です。三日ぐらいの内観を繰り返したらどうか、という質問もありますが、いったん中止すると心はもとの状態に戻り、次回も初回と同様に、また最初から始めなければならなくなります。少々無理してでも、最初は一週間なさることをお勧めします。短期内観は、経験者のフォローアップとして活用されたほうがいいと思います。
質問3 自分を見つめることが大切なのはわかりました。でも、一週間程度でそんなに効果があるのでしょうか。
内観がなぜ短期でこんなに効果があるのかわかっていません。今、日本内観学会とか日本内観医学会、国際内観療法学会とかさまざまな学会で研究がされているところです。最近では、中国にも内観学会ができ、その他韓国、東南アジアにも広がっています。また、ドイツのニーダーザクセン州で設けられた内観専用の刑務所が効果を挙げ、他の州でも導入する予定になっているそうです。先日も、従来の西洋の治療法が限界を感じたといってパリ大学の教授が見学に来たりしています。内観は、理論より実践が先行しているのです。

内観の方法が優れているのはもちろんでしょうが、それ以外にも、わずか一週間ですが、時間にすると約100時間です。カウンセリングを毎週1時間受けるとすると2年かかります。2週間に一度なら4年です。しかも、集中的にすることによって、心の奥底まで深く観ることが可能になります。密度が濃いのもその理由の一つでしょう。
質問4 両親に虐待されていた人間にも、内観は効果がありますか?内観をして余計に苦しくなることはないでしょうか?私は両親に物的・精神的に虐待されて育ち、所謂アダルトチルドレンに該当すると思います。今は親とは表面的にしか付き合っていません。
効果はあると思います。ただし、虐待されていた方は、普通の方よりも難しいです。こういう場合は、ご両親は後回しにして、今まで関わってきた人の中で比較的好印象を持っている方から始めます。そして、内観が進んで気持ちに余裕と勇気が生まれて、ご両親に取り組む意欲が生まれたら、ご両親に対する内観を始めていただきます。意欲が湧かなければ無理はしなくてよいのです。

ただ、多くの方を観察させていただくと、ご両親に対する感情が陰性な方は、幸せになれる確率が極端に下がるようです。今、現在もいろいろと悩み、苦しんでいる方が多いのです。両親に対する感情は、その方自身の奥深いところでの基本的感情になるようです。両親に対して陰性感情を持っている方は、表面的にはともかく、心の奥深いところでマイナス思考の方が多く、人生を楽しんだり社会に適応するのが下手なようです。したがって、両親に対する陰性感情だけは除いておく必要があると思います。両親を責めて幸せになれるなら、責めればいいと思います。いくら責めても幸せになれない方は、その陰性感情から解放されることが必要です。そのために内観が役立つと思います。当所では、全員個室ですから無理をせず、来られた方の心の状態に応じて少しずつその方の心の傷を癒していく方法をとっていますので、ご安心下さい。
質問5 内観には悪くなったりする副作用はないのですか。
内観の効果については、個人差があります。しかし、私も7,000人以上の方々の面接をしてきましたが、悪くなった例には出合ったことがありません。その理由ははっきりとした確信はありませんが、私の考えでは、内観はご本人の意志を一番尊重するからだと思っています。

当所では、周りの方がいくら熱心でもご本人にやる気がなければお引き受けしません。また、内観を始めてもご本人がやめたくなったら、一度は思い直すよう話す場合もありますが、ご本人の意志が変わらなければ、いつでも中断をします。決して強制をしないのです。当研修所のスタンスは、よくなりたいというご本人の気持ちに添って、応援するというスタイルなのです。主役は内観者さん自身という考え方が徹底しており、無理をしないのです。副作用がないのは、そのせいもあるのだと思っています。

心の問題は強制しても決していいことはない、というのが私の考え方です。
質問6 昔のことは忘れてしまって思い出せるか心配です。集中内観をしてもあまりたいしたことは思い出せないような気がするのですが。
確かに最初は思い出せません。初めの頃は2時間考えていても実際テーマに集中しているのは2,3分ぐらいだと言われています。個人差はありますが、そんなものです。しかし、繰り返して内観しているうちに、3日を過ぎる頃になると、ほとんどの人が不思議なほど記憶が湧いてきます。今まで忘れていた過去の出来事が懐かしく思い出されるようになるのです。
質問7 私は宗教が嫌いです。内観は宗教ではないのですか。
内観は、宗教ではありません。内観は、自分の心を観る技術です。ただ、それだけです。内観をした結果、どういうふうに考えるかは、人それぞれで全く自由です。教えも組織もありません。内観研修所や病院はそれぞれが独立しており、何の規制も受けません。自己発見の会という有志の集まりがありますが、それも自由参加です。

吉本伊信先生や私は、仏教の影響を受けていますが、それも個人的な趣味であって、第三者に勧めることはありません。
質問8 私はいつも反省しているから内観をする必要はありません。私よりも、ぜひ夫(妻)にやってもらいたいと思います。相手がやらないのに私だけ内観をするのは何か不公平で、損をするような気がします。
内観はいわゆる道徳的な反省とは違います。人生には、いろいろな苦労があり、悲しみがあります。今がいくら幸せでも、私たちはやがて年老いて、死んでいきます。それが人生です。内観は、そういう厳しい人生をより幸せに生きるために、自分をありのままに知る技術です。

人は皆、最後は一人です。誰も頼れません。自分の幸せは、自分の心が作るものです。暗い心の人は、いつも暗さを味わい、明るい心の人は、明るい気持ちを味わいます。相手が謝って自分の正当性が証明され、一時的な満足を得ても、人生の勝利者とは言えません。自分の心を豊かで明るい心にすることこそが、厳しい人生を生き抜いて幸せになる最終的な方法だと思います。内観をして自分を知るということは、そんな豊かで明るい心に近づくことで、決して損なことではなく、むしろ恵まれたことだと私は考えています。
質問9 内観をすると自己嫌悪に陥るような気がするのですが。
人は、誰しも自分に対して「こうありたい」という欲求を持ちます。自己嫌悪というのは、自分自身に対して「こうありたい」という希望する自分とは違う自分を、現実に見せつけられた時に陥る感情と言えます。つまり、無意識のイメージで作り上げた自己像と現実の自分とのギャップが自己嫌悪感を生むのです。

内観は、「こうありたい」という現実の存在しない仮想の自分ではなく、現実の「自分のありのまま」を観ることです。「こうありたい」という仮想の自分を崩し、現実の自分を観ることは、最初は辛いのですが、いったん「ありのまま」の現実の自分を受け入れることができたら、深い自信と感謝に満たされます。現実の自分を受け入れることができたら、もともと現実ですから自分の自己像と現実の自分は一緒ですから、二度と自己嫌悪に陥ることはありません。
質問10 この忙しいのに一週間も時間をとって内観をするのは時間の無駄なような気がしますが。
人それぞれの価値観がありますから、無駄と思う人には無理してお勧めしません。ただ、内観を体験した多くの人が「もっと早く内観しておけばよかった」との感想を述べます。長い人生の中、たった一週間で自分の人生の軌道修正ができるのです。私にはとても無駄とは思えません。
質問11 私は父が嫌いです。だから、母に対して内観をするのはいいけれど、どうしても父に対する内観は拒否します。
内観は本人の自由意志を一番尊重します。心の問題は強制したり、思いこみで解決するものではないからです。内観をしたくない人は、しなければいいし、このテーマはやりたくないというのであれば、やらなければいいし、話したくないことは話さなくてもいいのです。
質問12 全国に内観研修所がありますが、どこの内観研修所がいいのでしょうか。
現在は色々な場所で内観研修所がありますので、全ては把握できなくなりました。
自己発見の会がお勧めする内観研修所だったら間違いないと思います。

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